■牛の歴史について・・・
日本での牛の家畜化は縄文晩期から弥生文化晩期のころで、この時代の遺跡からは牛の遺骨が多数発掘されています。現在、日本国内に出回っている国産牛肉には、肉専用種(和牛)、乳用種、交雑種(和牛と乳用種の交雑)、外国種などがあります。和牛には黒毛和牛種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4種類があり、いずれも明治時代に農耕用の在来種に外国種を交配して改良されたものです。最近の生産動向は、和牛生産が、全生産量の約45%程度に減少し、代わりに乳用種去勢牛や交雑種が増えてきています。
■和牛(肉専用種)の品種について・・・
・黒毛和種(くろげわしゅ)・・・日本全国で飼育されている和牛の大多数をしめている。肉用牛の主要品種。シンメンタール種やブラウンスイス種などの外国種との交配を経て生まれた。特色としては、黒の単色で、毛・角・蹄・粘膜などがいずれも黒く、毛先が褐色を帯びています。体はよくしまって充実しており、足も蹄も強健です。肉質は大変優れています(筋繊維は細かく、肥育すれば脂肪が筋繊維の間に細かく沈着した極上の「霜降り肉」を作り出します。)能登牛もこの黒毛和種になります。
・褐毛和種(かつもうわしゅ)・・・熊本県と高知県の赤牛を基礎とし、これに明治以降、シンメンタール種と朝鮮牛を交配。成長が早く性質がおとなしいのが特徴で、肉質は赤身が多く脂が少ない。
・日本短各種(にほんたんかくしゅ)・・・東北地方の肉用種である南部牛に、イギリスからのショートホーン種を交配。手間がかからず成長が早いので、放牧に向いている。肉質は、赤身が多く柔らかい。
・無角和種(むかくわしゅ)・・・山口県阿武郡の在来種をアバディーン・アンガス種との交配によって改良した品種。成長は早いが肥育が進むと皮下脂肪が厚くなりやすい傾向がある。肉質は赤身が多め。飼育数が少ない。
■和牛とは・・・
明治時代に日本在来の牛に外国種を交配・改良した、食肉専門4品種の牛のこと。日本古来の食肉専用種で、黒毛和種、褐毛和種、無角和種、日本短角種の4種が和牛として認定されいます。よく和牛といいますが、これら4種の総称として使われています。そして和牛は、一般的にに高価です。その理由としては、食用になるまでに一般の牛より時間がかかること、飼育方法に手が込んでいること、大量生産が難しいことなどが挙げられます。 その中でも「黒毛和種」は、全国的に飼育され和牛の飼育頭数の約90%とも言われています。 特色として、肉質はやわらかく、筋線維は細かく、飼育すれば脂肪が筋線維の間に細かく沈着した極上の「霜降り肉」を作りだすといわれております。もちろん、石川県が誇る銘柄牛の「能登牛」も「黒毛和種」です!!
■国産牛とは・・・
外国種や輸入牛でも3ヵ月以上国内で肥育されると国産牛になります。 国産牛は日本で生まれた牛とは限らないのです。外国で生まれた牛でも、日本で3ヶ月以上育てれば、国産牛になります。つまり、国産牛の中には、和牛もあれば外国種も、さらには、本来乳牛であるホルスタインも含まれているのです。よって、「和牛」=「国産牛」ではないということです。 和牛というのは品種名で、産地とはまったく関係なく、和牛4品種だけを示し、ほかの品種で使うことは禁止されています。一方、品種に関係なく、一定期間以上日本国内で飼育されれば、「国産牛」と表記されます。
■交雑種とは・・・
一般的には和牛と乳用種を交配させた牛を指します。てらおかでは、厳選した国産牛交雑種を使用しています。
この肉ってどの部分?って思われたことありませんか?特に焼き肉屋さんとかに行くと色んな肉の種類があって難しいですよね!そこで、牛肉の部位について少し説明したいと思います。牛肉の主な部位は、以下の9種類に分けられます!(東京都中央卸売市場、肉食小売品質基準による)
・肩とは・・・肩甲骨(けんこうこつ)の外側にある筋肉のかたまりウデともいいます。
・肩ロースとは・・・背骨の両側に沿ってついているロースの、もっとも頭に近い部分とそれに接するバラに近い部分
・リブロースとは・・・肩ロースにつづくロースとその周辺の筋肉
・サーロインとは・・・リブロースとランプの間にあるロース、その周辺の筋肉
・ヒレとは・・・腰を中心に背骨の腹側についている筋肉
・バラとは・・・肩バラ(前バラともいう)ともバラに分かれる
・モモとは・・・・内もも、しんたまに分かれる
・外モモとは・・・後ろ脚の外側についている筋肉のかたまり
・ランプとは・・・イチボを含むでん肉。ランイチともいう。
肉屋の現場では臨機応変。さばき方を工夫して切り出した希少な肉を独自の看板商品にしている店も多くみうけられます。食べているお肉がどこの部位なのか、ひとつひとつ確かめながら味わうのも、肉を食べる楽しみのひとつだと思います。
よくお肉屋さんでA5ランクなどの表示を目にしますが、これは牛肉の格付けになります。枝肉(牛から内臓を取り除いた状態)の格付けが始まったのは、昭和37年からと言われています。食肉の流通を合理化するための一環として、売市場や食肉センターで行われるようになりました。特に牛肉の格付けは細かく、取引の目安として利用されています。
現在の牛の格付けは、「歩留等級」と「肉質の等級」に分かれており、歩留等級とはどれくらいの肉の量が取れるかを表す表示で、肉質等級は肉質を4項目にわけ1~5に区別し、判定されます。
その中でも、当店ではA4・A5等級の最優良ランクの牛を中心に扱っており、能登牛の精肉(加工肉は除く)の販売には、「能登牛証明書」をつけさせていただいております。
牛の背肉の一部で、霜降りになりやすくきめが細かく柔らかいことから牛肉を代表する部位にたとえられることも多いサーロインです。サーロインは、その美味しさに英国王から「Sir」(サー)の称号を贈られたことが由来でステーキ用のお肉として人気が高い部位です。
シャトーブリアン・・・
牛ヒレ肉の中心部にある、最高級の肉シャトーブリアン。実は、この部位名は、むかし活躍したフランスの政治家のフランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンからとられています。肉質はきめ細かく、非常に柔らかい部位です。脂肪は少なく、一頭からごく少量しかとれない牛肉の中でも最上級の赤身肉です。